今が旬の桃の産地として有名な紀の川市桃山町の学校名に関する疑問が届きました。紀美野町のペンネーム、ピョン子さん「友だちの子どもが通っている桃山町の安楽川小学校と荒川中学校は、読み方が同じなのに表記が違うのはなぜ?」。

 歩いてすぐの場所にある2つの学校。漢字の読み方は同じでも、印象がまるで違う2種類の「あらかわ」が名付けられた両校は、なぜその表記で誕生したのか。紀の川市生涯学習課に聞きました。

 


 

由来は分かるが、理由は…

 「紀の川市桃山町の安楽川小学校と荒川中学校の表記が違うのはなぜ?」。紀の川市生涯学習課に聞きましたが、「理由は分からない」とのこと。ただ、2つの表記で興味深い話を聞けました。

 この地域は貴志川と紀の川の合流地点で、昔から川のはん濫に見舞われることが多いため、「荒ぶる川」から荒川となり、平安時代、鳥羽上皇領だったこの地は荒川荘と名付けられました。上皇の没後、皇后である美福門院がここで暮らしました。その際、信仰していた「安楽教」の名前を用い、「荒川」から「安楽川」に変更されました。

 時を経て1878年、当時あった市場村立市場小学校を荒川小学校に改称。この時、小学校も「荒川」でした。1891年に安楽川第一尋常小学校と改称し、今と同じ漢字を使用。1947年に安楽川村立安楽川小学校になりました。また同じ年、安楽川村・調月村学校組合立荒川中学校が開校しました。

 小学校は地域名と同じ「安楽川」なので不思議はありませんが、なぜ中学は古い「荒川」なのか、残念ながらたどりつけませんでした。この謎、桃のようには甘くなかったです…。

(ニュース和歌山/2020年7月25日更新)