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 まもなく1周年を迎える和歌山市板屋町の「piatto(ピアット)ー城下町の八百屋さん」は、カフェのようなおしゃれな店内に、新鮮な地元産や、なかなかお目にかかれない珍しい野菜があふれます。経営する老舗青果仲卸店「立野商店」3代目の立野眞生さん(39)、妻でピアット店長を務める幸子さん(34)夫妻に、色鮮やかでみずみずしい野菜と果物の味わいを聞きました。(文中敬称略)

おすすめ教えます

——ツヤツヤのオクラ、多様なミニトマト、はたまた真っ白なナス…。手描きの説明が添えられ、「八百屋さん」のイメージを覆すおしゃれな店構えです。

眞生 生産者から直接買う質の高い県産品、沖縄から北海道、海外産の旬のものや、一般に出回ることの少ない珍しい野菜を約40〜50種類そろえています。家業は飲食店向けの青果仲卸店で、創業は1948年。中央卸売市場で営んでおり、一般の人にも手に入れてもらえる場所をと、2011年夏に「金曜日の八百屋さん」と名付けてダイワロイネットの芝生広場で月1回、対面販売を始めました。「野菜を売ってる所がない」との声が多かったのですが、よくよく聞くうちに「旬やおすすめを教えてもらいながら買えるところがない」という意味なんだと気付きました。

——そこで常設店「ピアット」を昨年7月にオープンさせたんですね。

幸子 私と女性スタッフが店頭に立ち、その日のイチオシや食べ方を提案します。お客さん同士が「こうやって食べた」と盛り上がったり、感想やレシピを教えてくれたりするのも楽しいです。

いつもと違う一皿

——ピアットとは?

眞生 イタリア語で「お皿」の意味。いつもと違う一皿があれば、食卓はグッと華やぎます。私たちは生産者ではないですが、「やっぱりここで買った野菜はおいしい」と言ってもらえる信頼が大切だと思っています。この水ナスは紀の川市の宮楠農園さんのものですが、皮が薄く、傷をつけずに鮮度を保つため、1個ずつラップをかけてくれています。ていねいな仕事は味に現れます。

幸子 これは漬け物にするより、ぜひ生で。ゴマ油をかけて塩で食べると、甘さが引き立ちます。

〝自分好み〟発見

——気軽に立ち寄りたくなります。

幸子 買い物だけでなく、今月からその場で味わっていただけるフレッシュジュースの販売も始めました。コールドプレスという製法で、低速で栄養素を壊さずにジュースにできます。小松菜、ニンジン、リンゴ、レモンを入れた野菜ジュースが一番人気で、早くもリピートしてくれる人も。

——野菜の楽しみ方が広がりそうです。

眞生 同じ野菜でも様々な風味や食感があります。〝自分好みの野菜〟を見つける楽しさを感じてほしいですね。野菜嫌いの子どもさんも、店で実際に手にとって興味をもってもらいたいです。

【ピアットー城下町の八百屋さん】

和歌山市板屋町3。水・土・日・祝休み。午前11時〜午後4時。073・488・6340


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【読者プレゼント】ピアットで使える商品券1000円分を抽選で10人にプレゼント。応募方法は2015年6月24日号3面参照。

(ニュース和歌山2015年6月24日号掲載)