ニュース和歌山1月3日号の謎解き代行社お正月特別編で特集した和歌山城。紹介したほかに様々な質問が寄せられています。

 今回は和歌山市のメロンパンさん(42)からのご質問「和歌山城って何階建てになるの?」です。

 和歌山城天守閣は虎伏山の山頂。建物は23㍍、海抜72㍍です。空高くそびえますが、何階建てなのか考えたことありますか? 日本城郭史学会委員の水島大二さんに聞きました。

 


 

「3層3階」建て

 「和歌山城は何階建てですか?」。著書『ふるさと和歌山城』でおなじみの水島大二さんに聞きました。

 高層で複雑な造りの天守は特有の見方をします。屋根の数を「層(重)」、内部にある床の数を「階」と言います。これで言うと、和歌山城天守は屋根が3層、床は3階。「3層3階です。他の城には層と階が一致せず、3層でも5階のところもあります」と水島さん。

 天守について面白いお話をうかがいました。実は全国各地の城には様々な天守がありますが、実際そこに住んだのは、戦国武将の織田信長のみ。滋賀県の安土城です。天守を設けた最初の城と言われる安土城だけは「天主」と表記され、そのほかは「天守」です。

 時代劇の影響で、藩主が天守に住んだと思われていますが、実際はそうではないようです。「和歌山城も外観は立派ですが、中は質素だった。戦後の再建時に設計を担った藤岡通夫さんが書き残しています。建物自体が飾りで、シンボルだったと言えるでしょう」と話します。

(ニュース和歌山/2021年2月20日更新)