地元産のひじきやわかめなど乾物を使ったユニークスイーツが11年前から人気のマルサン野田商店(海南市藤白)。仕掛け人は3代目の野田智也さん(46)です。12月からはNHK・Eテレ「まる得マガジン」で自慢のレシピを紹介します。

老舗3代目

──NHK・Eテレの教養番組で講師をされるんですね。

 「1回5分と短いですが、全国放送です。依頼があった時は、『まさか…』と驚きましたね。『まるでアップル?なしいたけパイ』『ふわふわオ麩(ふ)レツ』『ひじきマドレーヌ』など23品の作り方を8回に分けて伝授します」

──ニュース和歌山でも〝かんぶつ王子〟として2013年から2年間、レシピを連載してもらいました。和歌山市と周辺の小学校に届けているニュース和歌山小学生新聞では今も掲載中です。

 「過去に載せていただいたレシピのうち、いくつかはパワーアップさせて、番組で紹介します。伝統食材である乾物の魅力発信に、地元紙が協力してくださったことが、今回の出演につながったと感謝しています」

──野田商店の創業は。

 「1949年に祖父が始め、父が2代目。私は銀行員を経て、28歳の時に手伝い始めました。35歳で日本かんぶつ協会認定の『かんぶつマエストロ』を県内で初めて取得。元々は卸だけだったのですが、この資格を取る以前から、『メーカーの商品を販売するだけでなく、うち独自の名がついた物を届けたい』との思いが芽生えていました」

スイーツに着眼

──その後、どのような行動を?

 「乾物を次世代につなぐため、子育てしているお母さんの共感と応援を得て、子どものおやつに味わってもらえないか──。そう考え、まず、ひじきを練り込んだシフォンケーキを1年半かけて開発しました。これにわかめのパウンドケーキ、ごまプリンを加えた3品で、〝3時のかんぶつ屋さん〟としてスイーツの販売を始めたのが2011年11月23日です」

──丸11年ですね。

 「たった3つだった商品が今は常時、約20種類です。イチオシは海南市下津町大崎のひじきを使った〝海南クグロフ〟。フランスの発酵菓子クグロフを参考にしており、豆やかんぴょう入りの物もあります。『今まで乾物を口にしなかった子どもが、ここのスイーツをきっかけに食べられるようになった』とのうれしいお言葉はよく聞かせていただきます」

──今後は?

 「食卓から遠くなってしまっている乾物ですが、これだけ時代が便利に変わっても残っています。乾かすことでうまみが凝縮され、栄養価が高くなり、常温保存できるから備蓄にも便利など良いところがたくさんあります。スイーツがそうですが、今の時代に合った新しい形でその味わいを、今回の番組も含めて伝えていきたいですね」

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マルサン野田商店 … 海南市藤白189─1。午前11時~午後6時。㊐㊊定休。073・482・3424。

 

NHK・Eテレ「まる得マガジン『おうちで乾物レストラン』」

 12月5日~15日と来年1月23日~2月2日の㊊~㊍午後9時55分から。再放送は12月12日~22日と来年1月30日~2月9日の㊊~㊍午前11時55分から。

野田さん監修の番組テキスト(写真、660円)は11月26日㊏発売。

(ニュース和歌山/2022年11月19日更新)