1月に広島で開かれた全国都道府県対抗男子駅伝2区で15人抜きの快走を見せ、区間賞と中学生の部優秀賞を獲得しました。岩出二中を卒業したばかりですが、3年時の目標に「全国中学生大会優勝」「都道府県駅伝区間賞」を掲げ、見事に達成。中学生相手では1年間、負け知らずです。春から京都の強豪、洛南高校に進学し、都大路(全国高校駅伝)を目指します。「将来はオリンピックでフルマラソンを走りたい」と先を見つめています。

長距離一筋に

中3では負け知らずの田中さん。紀の国ACの川村栄司コーチは「真面目で努力でき、素質もある。まだ伸びる」ときっぱり。

──都道府県対抗では15人抜きで区間賞でした。

 「行くしかない状況でしたから、1人ずつ抜いて、楽しんで走れました。2区は3㌔なんですが、基礎体力が足らなかったところを課題に練習し、しっかりラストで上げることができたのが勝因だったと思います。中学でベストの走りができ、優秀賞をとれたのが一番うれしかったです」

──陸上はいつから?

 「両親も2人の兄も長距離選手でしたので、小さいころから長い距離を走っていました。小2から岩出アスリートクラブ(AC)、小4から紀の国ACに所属。小6の県大会800㍍で優勝し、市町村駅伝は上りばかりの7区で区間賞を取ることができました」

──中学時代はどんな練習を?

 「中1の夏の終わりから、朝5㌔ほどのジョギングを始めたところ、12月の大会で3000㍍の自己ベストを大幅に更新する9分8秒ほどで走れました。学校では短い距離を何度も繰り返すインターバル走などを、紀の国ACでは2㌔ごとにスピードを上げていくビルドアップ走などに取り組んできました」

──昨年9月、奈良の1500㍍記録会で中学歴代2位の3分49秒51でした。

 「タイム的には1500㍍が得意種目です。これからは5000㍍、1万㍍と長い距離を考えています」

レースを作る

──大会にはどんな考えで臨んでいますか?

 「記録会は自分の記録に挑むのが最優先。大会は勝つことに徹し、レースごとに組み立てますが、基本は先頭でレースを作ります。2月に滋賀で行われた全国中学生クロスカントリーの時は足の調子が良くなかったので、最初は2番手に付け、最後にトップに立つ作戦で、優勝できました」

──高校は洛南ですね。

 「迷いましたが、中学で1学年上の渡辺敦紀さんがいることが決め手です。スピード練習で勝てず、いつも背中を追いかけていました。現状では高校だと全然通用しないので、先輩の走りを見て学んでいきたいです」

──これからの目標は。

 「高校では、やはり都大路出場です。距離の短い3区か5区(各3㌔)をねらっています。将来は、箱根駅伝にはもちろん出たいですが、アスリートのゴールはオリンピックだと思いますので、やはりフルマラソンを走りたい。23歳で迎えるオーストラリアのブリスベンオリンピックに出られるようがんばります」

(ニュース和歌山/2024年3月16日更新)