北ぶらくり丁商店街で開催中の北ぶらリメンバーフェスタ。12月11日㊐午後1時と2時半に猿まわしを披露するのは、和歌山市出身のトレーナー、松原紬さん(26)と、こうめちゃん(6)のコンビ「かざぐるま」です。

厄除けの神事

──猿まわしの由来は?

 「約1000年前から続く日本の伝統芸能です。元々は厄除けの神事で、『厄が去る(猿)』にちなみ、家畜の馬や牛を守るおまじないとして猿の舞が生まれました。一度廃れたものの、エンターテインメントとして進化しました」

──なぜこの道に?

 「中学生の時、猿を特集している動画で興味を持ち、その後、愛知県の東山動物園にいるイケメンゴリラ、シャバーニくんに一目ぼれ。人間に似ていながら、仕草や動きがかわいい猿の魅力にどんどん引かれていきました。両親からは『なぜ猿?』と反対を受けたものの、どうしてもあきらめきれず、大阪と神戸に猿まわしの劇場を持つ会社へ入りました。最初はいちスタッフでしたが、猿と触れ合いたくてトレーナーへ転身。『若い時にできることをした方が良い』と背中を押してくれた先輩のおかげです」

──相棒はこうめちゃんですね。

 「地元でショーをしたいとの夢があり、和歌山の人になじみある“梅”を取り入れました。おっとりで、のんびりした子ですが、とても頭が良くて、時々ツンデレです。人間のことをよく見ていて、普段はそっけないのに、気持ちが沈んでいる時はそっとそばにいてくれたり、毛づくろいしてくれたり、かけがえない相棒です」」

大きな拍手歓迎

──見どころは?

 「ダンスのステップを絡めたショーは、社内のコンビ17組中、私たちだけができる自慢の演出。和歌山商業高校バトン部やよさこい踊りのチームで汗を流した経験を生かせればと取り入れました。曲に合わせて、私は簡単なバトン演技、こうめはステップを踏み、輪くぐりを披露します。得意技は階段から階段へ飛び移るボックスジャンプと逆立ちです。2㍍の竹馬を自分で立てて乗る技は、バランス芸が苦手なこうめが1年以上練習してやっとできるようになった大切な技。成功したら、大きな拍手をもらえるとうれしいです」

──公演が楽しみです。

 「和歌山にいたころ、猿まわしを見たことがありませんでした。地元の人に、芸を通して猿のかしこさやかわいさといった魅力をお届けしたいです。猿の舞で悪いものを取り払い、来年が良い年になるよう願いを込めてパフォーマンスします」

北ぶらリメンバーフェスタ

 12月11日㊐までと25日㊐、北ぶらくり丁と周辺。11日は猿まわしのほか、マグロ解体ショーとふるまい、わんだーらんどの漫才など。25日は映画上映、たこづくり体験ほか。詳細は「北ぶらリメンバーフェスタ」HP

(ニュース和歌山/2022年12月3日更新)