和歌山人の本音、関心を読み解く「よもやまリサーチリターンズ」。今回は「宇宙旅行に行きたい? 行きたくない?」を聞きました。串本町でロケット発射場の整備が進みますが、結果は…「行きたくない」が3分の2近くに。理由を見てみましょう。

 多くの人が「高齢なので体力が無理」(70代女性ほか)や、「高額なので」(50代女性)と肉体面、金銭面がネックになっているようです。

 また、「宇宙の前に日本と世界」「日本でもまだ行ってないところばかり」(どちらも30代女性)、「地球にきれいな場所やおいしいものがある」(50代女性)と、まずは地球上をとのコメントも寄せられました。

 行きたくない人からは、「乗り物酔いするから」(70代男性)、「閉所恐怖症だから」(70代女性)と切実な理由が聞かれました。地球上の旅行先との違いで顕著だったのは、「安全面が不安。命がけ」(50代男性)、「無事に帰れるか…」(40代女性ほか)、「訓練を受けてまで行きたくない」(70代女性)といった声が。「他の星に行くのはずうずうしいお邪魔虫のように思える」(60代女性)と、行き先へ配慮する優しい意見もありました。

 一方、行きたい人に多かったのは「青い地球を見たい」(50代女性ほか)、「無重力体験をしたい」(60代男性ほか)との理由です。「中学生の時に探査機ボイジャーの動画を見た感動が忘れられない」(50代女性)、「セーラームーンのキャラが好きだったので」(30代女性)と思い出に由来するものや、「宇宙へ行けば、毎日の細々したことなんかどうでもよくなる気がする」(40代女性)、「国境のない丸い地球を見たい」(60代女性)との思いも寄せられました。

みさと天文台の山内千里天文台長

 皆さんの回答にあるように、大気圏外へ出る〝宇宙旅行〟には危険が伴います。でも実は、私たちはずっと宇宙旅行をしています。空という大きな窓を持つ宇宙船「地球号」に乗り、1秒に約30㌔という速さで太陽の周りを回っています。人工的な明かりのない田舎で眺める満天の星空や天の川が、最も身近な宇宙旅行と言えるでしょう。双眼鏡を手に、無数の星で埋め尽くされた宇宙の姿を気軽に楽しんでください。

(ニュース和歌山/2022年12月10日更新)