紀伊風土記の丘が主催する、昔の暮らしをテーマにした「チャレンジ!ジュニア学芸員 研究応募作品展」。個人・小学生の部で4年連続最優秀賞に輝いたのが、「縄文時代の食生活」について調べた川永小学校5年の河野仁宥くん(11、写真右)です。妹の3年、日香さん(8)も「和歌山の養蚕」で今年初出品し、優秀賞とそろって入賞しました。(文中敬称略)
カイコから糸
──仁宥くんは昨年までの「チャレンジ!ジュニア考古学」作品展を含め、4年連続最優秀賞です。
仁宥「2年は『滑石(かっせき)で縄文時代のそう身具を作る』、3年~5年は『縄文時代の食生活』について調べました」
──テーマはずっと縄文時代なんですね。
仁宥「近所の川辺遺跡で、土偶の手先部分が見つかったと知って、興味を持ちました。これまで塩作り用の土器や、サヌカイトという石でナイフなどを手作りしました。猟師さんに絞めてもらったイノシシの子どもを、そのナイフでさばいたことも。今年は、植物のカラムシから繊維を取って釣り糸、鹿の角で釣り針を作るのに挑戦しました」
──優秀賞を受賞した日香さんのテーマは「和歌山の養蚕」ですね。
日香「お父さんに『カイコって面白いよ』って聞いて、1年の時からずっと育てています。エサになる桑の葉を探すのは大変です。そのカイコのまゆをゆがいて、糸をよりました。糸を巻き取る道具、桛(かせ)も作りました。次はその糸を布にして、服ができたらなあと思っています」
縄文人 すごい
─2人の研究が風土記の丘で展示中です。
日香「私が桑を取っていた家の近くの場所を1934年の地図で見ると、今はなくなった桑畑の地図記号が書かれていました。昔は和歌山でもカイコが飼われていたと知ってほしい。あと、風土記の丘の学芸員さんに『日当たりが良く、お客さんを招くための南西の部屋でカイコは育てられていた』と教わりました。それぐらい大切にされていたことも伝えられれば」
仁宥「今のように便利な道具や機械がなかった3000年以上前の縄文時代に、工夫しながら色んなものを作っていた昔の人たちはすごいと思う。そんな縄文人の魅力を感じてもらいたい」
──最後にもし、タイムマシンがあったら?
日香「弥生時代に行きたい。どんな服を作っていたのかを見てきます」
仁宥「もちろん縄文時代。縄文人と大きなタイやヒラメを釣ります(笑)」
チャレンジ!ジュニア学芸員 研究応募作品展
来年1月15日㊐まで、和歌山市岩橋の紀伊風土記の丘。個人、団体合わせ小中学生の17作品を展示。午前9時~午後4時半。㊊と12月29日~1月3日は休み。紀伊風土記の丘(073・471・6123)。
(ニュース和歌山/2022年12月17日更新)