弦楽器を学ぶ子どもたちでつくる和歌山キッズオーケストラが発足し、3月19日㊐に第1回演奏会を開きます。代表で指導者のヴァイオリニスト、北島佳奈さん(41、写真右)と団長を務める和歌山信愛中学校2年、辻岡玖祈さん(13)に話を聞きました。(文中敬称略)

 

コロナ乗り越え

──なぜキッズオーケストラをつくろうと?

北島 「以前から教室の発表会でよくアンサンブルを披露していました。年々うまくなっていて、より高いレベルのものをと考え始めた矢先にコロナが流行…。集まっての練習はしにくくなりました。昨年3月、保護者だけが見に来られる発表会でも合奏を取り入れたものの、みんなで合わせられる機会は当日の朝1回だけ。無謀かと思っていましたが、私や保護者ら身内だけのものにしておくのはもったいないぐらいの音色を聴いて、立ち上げようと決めました」

辻岡 「発表会ではソロ演奏もありますが、みんなで音をつくりあげる方が好き。学校でもハンドベル部に入っています。なので、キッズオーケストラができると聞いた時はうれしかったです」

 

想像超える本番

──創設前の昨年夏、北島さんの演奏会に、プレ出演されたそうですね。

辻岡 「最後に2曲、演奏させてもらいました。このうちの1曲、パッヘルベルの『カノン』は冒頭部分で、私を含む小5~大学1年の5人が奏でる音がきれいに重なったのが分かりました」

北島 「あの音の合わさり方は本当にすばらしかった。『今日は私のコンサートなのに…』と嫉妬(しっと)するぐらいで(笑)、拍手が鳴り止まず、涙する方もいたんですよ」

──現在のメンバーは。

北島 「幼稚園の年中から大学2年生まで22人で、うち小学生が16人。年齢も経験年数も異なるメンバーを辻岡さんが引っ張ってくれています」

辻岡 「一番下の子は年が離れているし、中には最近、初めて会った子もいますが、団長として音を合わす前にコミュニケーションを取り、仲良くするよう心掛けています」

──創設記念演奏会まであと1ヵ月です。

辻岡 「去年8月の15人より人数が増えた分、音が重なりあった時にどうなるのか楽しみ。ハーモニーに期待してください」

北島 「もちろん当日に向けて、最高の準備はします。ただ、昨年夏の演奏会がそうだったように、本番に出る子どもたちの力は想像を超えてきます。今回、どんなプラスアルファがあるのか、私も楽しみ。音だけでなく、心の調和で元気を受け取り、そして拍手を送ってあげてください」

和歌山キッズオーケストラ創設記念第1回定期演奏会

 3月19日㊐午前11時、和歌山市役所東隣の和歌山城ホール小ホール。ロバート・シャーマン『スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス』、ホルスト『セントポール組曲よりジグ』、山田耕筰『赤とんぼ』など6曲を披露する。無料。申し込み不要。北島さん(073・494・8518)。

(ニュース和歌山/2023年2月18日更新)