〝和歌山城ごみゼロ活動〟と題し、毎月第1日曜の朝に清掃を呼びかける団体があります。2021年に発足した「NPOクリーン&コネクト和歌山」です。代表の幸前青空さん(21)は「子どもからお年寄りまで幅広い年代、様々な職業の人が集まって、おしゃべりを楽しみながらのゴミ拾い。地域の人たちが気軽に交流できるコミュニティの1つになれば」と張り切っています。

 

祖父に誘われ

──活動のきっかけは?

 「2年前の春先、自治会長を務める祖父から公園の清掃に誘われました。大学入学を目指して浪人生活2年目に入るのか、就職するのか…と迷っていた時期。公園がきれいになるのが素直にうれしかったし、勉強ばかりで人と接す+
る機会がなかった中、参加していた80代以上の方たちと話をするのが楽しかったんです。もう1つ、僕らは新型コロナ1年目に高校の卒業式や大学の入学式を迎えた世代。進学した同級生から、入学式や新入生歓迎会がなく、2年目になってもオンライン授業が続き、友達がなかなかできない状況で、『地域の清掃活動をしたい』と相談を受けました」

──同時期に2つの清掃がつながったんですね。

 「それで2021年6月、友人と4人で紀の川のゴミ拾いをしました。その後、会の名前に〝コネクト(「つなぐ」の意味)〟と入れた通り、多くの人に参加してもらおうと、すぐに和歌山市の市民公益活動登録団体となり、県から『わかやまごみゼロ活動団体』の認定を受け、チラシを作って、SNSで呼びかけました」

 

地域の居場所

──どんな取り組みを?

 「毎月第1日曜、お城でおしゃべりしながら1時間、ゴミを集めます。大事にしているのが継続です。『疲れた…』でなく、『次はここを掃除しよう』と思いながら終われるのが1時間なんです」

──負担に感じることなく参加できますね。

 「ゆるゆるな団体なので、毎月でなく5年に1回でもいいです(笑)。転勤で和歌山に来られ、子どもさんとよく参加してくれた方がいます。この春、他府県に移るのですが、『掃除を通じ地域の人と交流できたことが財産で、和歌山に愛着が湧きました』と言ってくれたのは感激でした」

──うれしい言葉です。

 「お年寄りにとっては社会参加することが健康に良いと聞きますし、掃除を通したつながりが孤立対策にもなります。一方、若い方は年配者の経験を気楽に聞かせてもらえる機会です。スポーツでも、まちづくりでもいい。年齢を超えたコミュニティ=居場所が地域にいっぱいあるのが理想で、その一つが清掃活動だと思っています。4人で始めた活動が、最近は常時40~50人。これからも地道に、人の縁をつくっていきたいですね」

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  次回の活動は3月5日㊐午前9時、わかやま歴史館前集合。希望者はメール(cleanconnectwakayama@gmail.com)。当日参加も可。詳細は団体のSNSで。

(ニュース和歌山/2023年3月4日更新)