怖さ:3
町の妖怪
出没地域:和歌山市

 昔、和歌浦の辺りを火の玉が飛び回った。天神山の北の方から飛び出し、途中で二つに分かれたり、一つになったりしながら天高く舞い、矢宮神社の境内にある一本松にとまって、赤く燃え上がった後、天神山の方へ戻っていったそうだ。また、水軒の北にある兄弟ヶ淵にも、よく火の玉が出たとのことで、こちらも二つになったり、四つになったりしながら堤防の上をふわふわ飛んだ。これに向かって声をかけると、火の玉は声の方へ飛んで来て目の前で消えた。不思議に思うや否や、火の玉は背後に回っていたという。

                 …   …   …   …   …

 妖怪をこよなく愛する漫画家、マエオカテツヤさんの『和歌山妖怪大図鑑』、主要書店で発売中です(税込み1017円)。

(ニュース和歌山/2023年3月4日更新)