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 有田川町で2006年に発見された白亜紀後期の「海の王者」、モササウルス類の化石。余分な石を化石から削り取る作業が今年2月に完了し、県立自然博物館(海南市船尾)が5月8日(日)まで公開している。小原正顕学芸員は「世界レベルで貴重。恐竜時代の化石を発見するのは遠い外国の話ではない。和歌山でこれだけのものが見つかったことを知って」と呼びかける。

 ヒレ状の足と鋭い歯を持つ大型ハ虫類、モササウルス。有田川町の鳥屋城山でつい骨と後ろ足の骨が発見され、5年前から約400点に上る化石に付着した岩石を削る作業を進めてきた。結果、モササウルス類としては日本一の部位数となる全身の50%以上を確認。体長は6㍍と推定される。

 今後は化石の特徴から60種以上あると言われるモササウルス類の中で、どの種に当てはまるかなどの研究をする。小原学芸員は「研究が進めば、新種の発見になるかもしれない。世界へ成果を発信したい」と話している。

 今展では右半身の化石と、骨格標本などを展示。また、「モササウルスについて語り合おう」を5月7日(土)午後0時45分から開く。定員60人。470円。同館(073・483・1777)。

(ニュース和歌山2016年4月9日号掲載)