建築士ら7コース提案

 市街地にある味わい深いレトロな建物や歴史的建造物をめぐるルートを紹介した「わかやままち歩きマップ」が完成し、和歌山県内の建築3団体でつくるまちづくり協議会が5月23日から配布している。県建築士会の中西重裕副会長は「初めて和歌山を訪れた人だけでなく、地元和歌山の人も楽しんでもらえる。日常風景にある歴史やロマンを感じ小旅行を満喫して」と勧める。

 和歌山市の「わかやまの底力・市民提案実施事業」の補助金を活用。マップは20年以上、まち歩きイベントで近代建築や江戸時代の歴史スポットを案内する中西さんが「いつでも好きな時に、テーマを持って歩けるように」と企画した。

 和歌山城より北側、紀の川までのエリアに、「熊楠が歩いた道」「昭和ロマンを訪ねて」など7コースを設定。それぞれ距離と所要時間を添え、南海和歌山市駅や紀和駅などを発着点に選んだ。「大和歌山近代化への道」は、市駅から競輪場周辺を巡り、戦前から残る紡織工場のレンガ倉庫、南海本線紀ノ川橋梁と10スポットの写真と解説を付けた。「幻の山東軽便鉄道」では、かつて田中町交差点付近から中之島に向けて伸びていた線路跡につくられた道を歩き、街の移り変わりが感じられる内容になっている。

 製作に携わった建築士の野津佑紀さんは「第2弾でお城の南側も考えています。有名な観光地でなくても、身近な場所にある歴史や文化、物語といった街の魅力を訪ねてほしい」と望んでいる。
 無料。和歌山市卜半町の建築士会館で配布。同会(073・423・2562)。

(ニュース和歌山/2018年6月2日更新)