■喜成会俳句教室・山本惠草選
鯛のある目抜き鯛より間抜け鯛 大田 静雄
雪の山村の人達うさぎ追う 小川スミエ
流れゆく水面で燃ゆる山紅葉 生原 敏和
■香蘭の会・上野みのり選
不揃ひの庭の飛び石実南天 北畑みち代
夢の絵を子らの描けり小春の日 辻 多惠
煮凝りのつるりとすべる丹塗り箸 森井美惠子
■笹子句会・笹尾茂葉選
石舞台枯蟷螂の鎌の舞 飯田 実
秋高し青カンバスに姫路城 中島 雅人
物言へぬ母の窓辺に小鳥来る 坂上美智子
■萌俳句会・森幸子選
あげ潮の水面広がる冬鷗 坂本 漸
新米の湯気の向こうに夫の顔 小川 成子
日の短か話尽きない友と居て 吉備美恵子
■紀の川俳句会・藤田和子選
立冬やラジオ体操座したまま 大橋 和子
時雨降る抜歯のあとに粥の粒 岩本美知子
山茶花は挫けぬ白を貫ける 森下 玄洞
■萌木俳句会・上中光選
まだ残る柚子の香りの風呂洗ふ 池田 廣子
一杯が二杯となりて温め酒 河野千鶴子
着ぶくれて赤子這ひ這ひままならず 勅使河原賀子
(ニュース和歌山2015年12月26日号掲載)