喜成会俳句教室・山本惠草選
鯛のある目抜き鯛より間抜け鯛    大田 静雄
雪の山村の人達うさぎ追う      小川スミエ
流れゆく水面で燃ゆる山紅葉     生原 敏和

香蘭の会・上野みのり選
不揃ひの庭の飛び石実南天      北畑みち代
夢の絵を子らの描けり小春の日    辻  多惠
煮凝りのつるりとすべる丹塗り箸   森井美惠子

笹子句会・笹尾茂葉選
石舞台枯蟷螂の鎌の舞        飯田  実
秋高し青カンバスに姫路城      中島 雅人
物言へぬ母の窓辺に小鳥来る     坂上美智子

萌俳句会・森幸子選
あげ潮の水面広がる冬鷗       坂本  漸
新米の湯気の向こうに夫の顔     小川 成子
日の短か話尽きない友と居て     吉備美恵子

紀の川俳句会・藤田和子選
立冬やラジオ体操座したまま     大橋 和子
時雨降る抜歯のあとに粥の粒     岩本美知子
山茶花は挫けぬ白を貫ける      森下 玄洞

■萌木俳句会・上中光選
まだ残る柚子の香りの風呂洗ふ    池田 廣子
一杯が二杯となりて温め酒      河野千鶴子
着ぶくれて赤子這ひ這ひままならず 勅使河原賀子

(ニュース和歌山2015年12月26日号掲載)