みその・駅前わくわくフェスティバル➡無期限延期となりました

 JR和歌山駅前のみその商店街を盛り上げようと、若者たちがアート作品の制作に挑んでいる。空き店舗のシャッター前や壁など17ヵ所にわたって、大きなネコや宇宙飛行士などで彩り、多くの人に見に来てもらう考えだ。4月上旬に開かれる「みその・駅前わくわくフェスティバル」での披露を目指し、作業は佳境。発案したみその商店街協同組合の石垣泰伸理事長(66)は「みそのを絵で元気にし、将来的に〝絵(え)ぇ和歌山〟にしたい」と張り切っている。

若手芸術家ら制作中 4月のフェスでお披露目

黒ネコを描いた作品を前に廣海さん(左)と河合さん

 みその商店街は戦後の闇市から発展。食材や生活必需品を求める地元の人が多く訪れ、ピーク時は約100店舗あったが、現在は25店舗にまで減った。ハローワークやNPO団体の事務所開設などの動きがあるものの、石垣理事長は「シャッター街の再生に成功した全国各地の商店街にお願いして勉強会を開き、みそのに合った活性化の方法を模索している」と話す。

 そんな中、コロナ禍で感染拡大防止対策を徹底しつつ、商店街がイベントを実施する国の「GoTo商店街」を利用し、アートで商店街を埋め尽くす計画が立ち上がった。アイデアを練る中で声をかけたのが、紀の川市の画家、廣海脩平さん(21)だ。

 廣海さんは中学時代、漫画家になる夢を抱き、デッサンをするように。この後、ペン画やスプレーアートを独学で学び、昨年は和歌山市で個展を開催した。昔からみその商店街の活気のなさが気になっており、「『アートの力で商店街を元気にしたい』との依頼に運命を感じました」。

 今年2月に制作をスタート。縦2・2㍍、横6・0㍍の壁に大きな黒ネコの絵をペンキやスプレー、クレヨンなどでカラフルに表現していった。

アイデアが浮かぶと徹夜で作業することも

 途中からは、活動を知った大阪市の画家、河合郁希(たかき)さん(21)が加わり、2人で作業を進める。「ネコが集まる場所には幸せが訪れると聞き、このネコが商店街に大きな幸せを運んでくるのをイメージしました。ただ、怖がられちゃうことが多いんですよね」と笑う。

 アーケード街を明るく、思わず写真を撮りたくなるような商店街に彩ろうと、県内で活動する他のアーティストや、和歌山信愛女子短大美術サークルの学生も協力。空き店舗のシャッターと同じ大きさのベニヤ板をカンバスにする。その一人、6年前から和歌山市でライブアートを行う根田知子さん(45)は、昭和レトロなおもちゃを描く。「フォトスポットのように、人が前に立って写真を撮ると完成する作品を制作中。レトロな街とレトロなおもちゃでノスタルジックに感じてもらいたい」とにっこり。

 みその・駅前わくわくフェスティバル期間中は、カラフルなバルーンアートをアーケードや店舗の壁などに飾り付け、絵とともに街をポップに演出する。島英雄実行委員長(64)は「若い人たちが商店街活性化のためにひと肌脱いでくれるのはうれしい。この勢いを持続できるよう、力を合わせていきたい」と意気込む。

※おことわり:みその・駅前わくわくフェスティバルは4月上旬開催予定でしたが、無期限延期となりました。詳細はフェイスブック「みその・駅前わくわくフェスティバル」

(ニュース和歌山/2021年3月27日更新)