〝ここでなきゃ〟を作る

 今年のフェスタ・ルーチェでこだわった1つに「没入感」があります。人の価値観は変わってきています。「いつでも・どこでも・だれとでも」、この3つがそろうことがこれまでのぜいたくの条件でした。これから大事なのは体験や体感。「今じゃなきゃ・ここじゃなきゃ・この人とでなきゃ」が鍵になると思います。

 ありふれた場所ではなく、そこでないとできないこと。わざわざ出向いてでも行きたくなる「ここでなきゃ」を作り、伝えること。それには都会ではなく地方の方が向いています。必要なことは交通や周辺環境の便利さなんかじゃない。デザインや規模、そのイベントの持つ魅力です。

 現在、フェスタ・ルーチェに合わせて、和歌山駅や海南駅前、市堀川周辺、日赤病院、アバロームなど様々な所に光を灯しています。さらに今年は那智勝浦町で開かれたイベント「アーケード」の会場や印南町の廃校跡に彩りを添えるクリスマスツリーなど、県中南部にもサテライト会場を設けました。また昨年に続き、車内をイルミネーションで光らせたバスも走らせます。

 こんな風に3年目の今年、様々な場所が「光」で結ばれるようになってきました。冬のヨーロッパにシップトリップしたような体験があちこちでできる。それこそが私の目指す「光でつなぐ和歌山」の姿です。私のいるタカショーデジテックのコンセプトは「光の演出で人の心を彩る」。まちの中に光を増やすことで、多くの人の心に彩りを灯すことができれば何よりです。

 会場での今年の目玉はプロジェクションマッピングやスカイランタン、また日本初上陸の〝声〟で光るデジタルボード「ソノスクリプタム」など。フィンランド政府の後援で現地からサンタクロースが来てくれ、本場フィンランドサウナの体験も。毎週行っても飽きないぐらい、いろんなイベントを仕掛けていきます。何度でも足を運んで、光の世界に「没入」してください。

(ニュース和歌山/2019年11月23日更新)