年末まで近鉄百貨店3階で「なつかしの和歌山写真展」が開かれている。同店60周年の企画で、本紙も冊子『ニュース和歌山が伝えた半世紀』で取りあげた写真を一部提供している。小規模の展示ながら昭和、平成の和歌山の姿がうかがえる▼写真展と話は別だが、懐かしさは世代限定的だ。例えば、私は1960年代生まれで、街と言えば2丁目、やはり丸正百貨店。ペットショップの香りがする屋上遊園地、ひしゃくですくう地下のジュース売り場にたこ焼き、みたらしが浮かぶ▼しかし、世代が違うとそこではない。10歳年下になると、街と言えば、サティやぶらくり丁ポポロビル内のキャラクターグッズ店、その界隈のおしゃれな雑貨店になるという。さっぱり分からない▼特定の世代が抱く記憶は「輪」で、言い換えれば「ふるさと」だろう。多くは共通の場があり、「それ、あった!」で成り立つ。今の子どもたちは街のどこに愛着を覚え、思い出を抱くのか。聞いてみたい気がする。 (髙垣)

(ニュース和歌山/2020年10月17日更新)