私と数字とのかかわりは、生産技術開発や工場運営でより深くなり、現在は社会経済を数字で見ています。


 数字とは「数」を表す記号で、「数」は点です。この点をつないでこれまでの歩みから、将来を予測できます。過去からの点の延長線だけでなく、色々な施策を考えて、新しい線(将来)を想像できる楽しみがあります。

 では、どれくらい点をつなげばいいのでしょうか。日本の人口は、2008年の1億2808万人をピークに、2060年に約9300万人、2110年には5300万人まで減少すると予測されています。これに対し、現在、国や地方自治体で推進されている「まち・ひと・しごと創生総合戦略」は、2060年に約1億人を確保し、将来的に約9000万人を安定的に推移させるとしています。現在の人口減少を超長期的にみると下図のようになっており、急激な人口減少を示します。

 和歌山市においても、2015年の36万4千人が、2065年に約18万5千人と約半数になると推計されており、この状況の抑制と並行し、少人数で経済を支える戦略が必要です。米・中と比べ出遅れているAI技術の高度化は走りながら考え、世界を席巻するスピード感が必要です。

 若い人たちには知的労働者を目指し、生産性を今の2倍以上にする学習が望まれます。また、経済を担う15~64歳の生産世代1人が支える子どもと高齢者の人数は、2015年に和歌山市で0・7人、2045年には、緩やかに0・9人までの増加ですが、紀美野町、古座川町、九度山町、すさみ町では2人を超える見込みです。

 行政改革も急がれますが、私たち住民も地域ぐるみの自助、共助を進めて、公助負担を軽くする必要があります。

和歌山社会経済研究所研究委員 中西 望(第4土曜担当)

(ニュース和歌山/2021年4月24日更新)