島根県を流れる中国地方一の大河、江(ごう)の川のほとりで生まれた静江(本名)が、大阪を経て、和歌山の紀の川市に越してきたのは、小学4年生の時でした。自然豊かで、おいしいものがたくさんある和歌山が、とっても好きになりました。

 幼いころから抱いていた歌手になる夢をあきらめかけていたころ、秋元順子さんが還暦前にデビュー。NHK紅白歌合戦に出演された姿に刺激を受け、2010年10月10日、思い切ってCD『紀の川のほとりで』を自主制作しました。紀の川市のピンクリボンキャンペーン・ソングで地元の上名手小学校の児童たちがCDを出し、青洲の里などでも流れていました。郷土の偉人、華岡青洲を知ったのは、この歌を通してです。

 歌うことでふるさとの素晴らしさを伝える喜びを知り、また、聴いた方々から「癒される」と言っていただいたことから、紀州・和歌山の歴史や文化を歌謡でつづる「ふるさと癒やし歌」シリーズが誕生しました。

 以来、オリジナルの「ふるさと癒やし歌」は24曲になり、15年に念願のメジャーデビューも果たしました。また、数多くの歌を通して郷土の魅力を伝えてきたことから、和歌山市の観光発信人を拝命しました。県下一円にお邪魔して多くの方からお話を聞き、ご協力を得ながら楽曲を作り、歌ってきました。

 写真は4月10日、和歌山城ホールで行ったコンサートの模様を、ファンが撮ってくれたものです。とても幸せそうな表情ですね。この12年間でご縁のあった事柄を交えながら、コラムを始めます。1年間どうぞよろしくお願いします。

 読者の皆さんと直接お目にかかれたらと思い、連載記念のトーク&ライブを5月3日㊋午後2時、和歌山市本町のフォルテワジマで行います。参加は2500円。宮本音楽事務所(090・1593・4514)へ。

 そして、このコラムから毎回、「ふるさと癒やし歌」が流れたらと思います。

 

演歌歌手 宮本静(第4土曜担当)

(ニュース和歌山/2022年4月23日更新)