始まりは盆の風習


 400年以上続く漆器の産地、海南市黒江地区の川端通りでは毎年、盆の8月14日に100以上の夜店が並ぶ「下駄市」が開かれます。

 黒江には江戸時代、和歌山県内外から2000人以上の職人らが移り住んでいました。盆の数日間、ふるさとに帰る日があり、その時に新しい下駄を履いて行きました。これが下駄市の始まりといわれます。明治時代以降、下駄以外の色々な夜店が出るようになりました。

 地元の片山光生さん(77)は「1950年ごろは着物で暮らす女性が多く、黒江で作られた下駄をよく買っていました。私も学校に下駄を履いて通っていました」と話します。

写真=夜店には色とりどりの下駄

もの作りの楽しさ


 1960年代に入ると靴を履く人が増え、下駄を売る店は姿を消しました。しかし、「下駄市なのに下駄の店がないのは寂しい」との声を受け、2010年、地域のために活動している団体「くろえ」が下駄を売る店を再開しました。今は広島から仕入れた100足以上を売っています。

 くろえの代表で、海南市の中学校で技術の先生をしていた小阪享さん(81)は2010年から盆前に、下駄作り教室を開いています。「3年前に亡くなった黒江で最後の下駄職人に作り方を学びました。今は、人に教えながらオリジナルの下駄を作っています。多くの人に職人の町の歴史と、ものを生み出す楽しさを知ってほしいです」

写真=下駄を作る小阪さん

下駄市…8月14日(月)午後6時〜10時

下駄作り体験…8月11日(金)午前9時、10時、11時、午後1時、2時、3時、海南市黒江の防災コミュニティセンター。小学生以上対象で、材料費800〜1000円。4日午後1時〜5時受け付け。各20人。実行委員会(073・483・5220)

(ニュース和歌山/2017年7月26日更新)