町の妖怪
出没地域:和歌山市
怖さ:2

 お爺さんの顔をした能面の一種。そんな翁面の不思議な話が残っている。その昔、和歌山市内の民家にふわふわと翁面が空中を舞いながら入ってきた。驚いた家人が近所の家に逃げ込むと、その家にも少し前、同じように入って来たという。怖くなって、お寺に相談すると住職が念仏を唱え始め、こう答えた。「かつて一緒に舞った相方の小面(若い女の面)を探している」。元々は若い男の面であったが、相方を探すうちにすっかり老い、形相がかわってしまったのだとか。住職が小面をあてがってやると、翁面はスッと消えたという。
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 妖怪をこよなく愛する和歌山市の漫画家、マエオカテツヤさんが毎週土曜日、妖しの世界に誘います。

(ニュース和歌山/2018年1月6日更新)