『くまのコールテンくん』(偕成社) 作 ドン・フリーマン 訳 まつおかきょうこ

 コールテンは熊のぬいぐるみ。デパートのおもちゃ売り場にいます。誰かが買って、うちに迎えてくれる日を心待ちにしていました。

 ある朝、女の子がコールテンを見て、「あたし、こんな熊が欲しかったの」と言いました。ママは、「これ新品じゃないみたい。ずぼんのボタンが取れてるわ」と首を振りました。コールテンは悲しくなりました。

 その夜、コールテンはボタンを探して、ひとりデパートを歩き回りましたが、見つかりません。

 翌朝、目を覚ますと、昨日の女の子が立っていました。そして…。

 ボタンがあってもなくても、このままのあなたが好き。幸せなラストに安らぎを感じる絵本です。

(和歌山市民図書館司書 額田美那子)

(ニュース和歌山/2018年11月14日更新)