怖さ:1
里の妖怪
出没地域:湯浅町

 宝暦5年(1755年)夏、紀州在田郡(ありだぐん)湯浅で2本の足がある怪しい蛇が見つかった。色は黒く、長さは6尺3寸(約190㌢)、胴回り7寸(約21㌢)で、針鼠(はりねずみ)の毛のような指のついた足が2本生えていた。舌は獣のようで、尾の先は尖っていたとの記録がある。これ、実はオスの蛇にはヘミペニスという生殖器がある。繁殖期にはこれを体の外へ出し、メスと交尾するが、種類によれば、この絵のような針鼠さながらの形をしている。きっと何かのタイミングでヘミペニスが外に出ていたのが、昔の人には奇妙な足に見えたのであろう。

…   …   …   …   …   …

 妖怪をこよなく愛する漫画家、マエオカテツヤさんの『和歌山妖怪大図鑑』、主要書店で発売中です(税込み999円)。

(ニュース和歌山/2019年6月22日更新)