怖さ:2
海の妖怪
出没地域:紀南地域

 白浜町の南方熊楠記念館に一際、興味をそそられる標本がある。一見、ウミヘビのようだが、尾の先は花が咲いたようで、何とも奇妙な姿をしている。その名は「ウガ」。1929年6月1日に南方熊楠が昭和天皇にご進講をした際、初めに紹介したのがウガだった。セグロウミヘビの尾にコスジエボシというフジツボの仲間が寄生したもの。このウガが生きていたら、うねる尾で、フジツボもうごめいている事になる。まさに妖怪だ。地元ではその尾を切り取って供えると、大漁に恵まれるとされたことから、どうも神の使いらしい。

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(ニュース和歌山/2019年11月30日更新)