怖さ:4
山の妖怪
出没地域:熊野地域

 昔、熊野のとある徳の高いお坊さんのもとへ、一人の旅僧(たびそう)が修行を申し出た。住職は快く受け入れ、旅僧も懸命に修行に励んだ。1年後、旅僧は世話になった礼を述べ、伊勢へ旅立った。それから2年、山仕事をしていた村人の耳にお経が聞こえてくる。探してみたが人影はない。それが毎日続くので、村人は住職に話した。翌日、住職が山に入ると、聞き覚えのある声でお経を唱えている。まさかと思い、声を辿った先には、髑髏(どくろ)と旅僧が持っていた白銅の水瓶(すいびん)があった。お経を唱える髑髏の舌は生きていた時のそれと変わりなかったという。死してなお修行に励む旅僧を、住職は丁寧に弔(とむら)った。

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(ニュース和歌山/2020年6月20日更新)