怖さ:5
山の妖怪
出没地域:熊野地域

 ある山に妻を亡くした炭焼きの親子が2人で暮らしていた。子は4、5歳。周りに遊び相手がおらず、いつもむずかった。父は「むずかってばかりいたら、山奥から何者かがやってきて連れて行かれるぞ」と脅かしたが、子はむずかるばかり。ある日、父が仕事をしていると、「もう気まま言わんさけ、許してよう」と子の声がする。慌てて声の方へ行くと、ほおずきのような真っ赤な目をした怪物が子をさらおうとしている。「子どもを返せ!」。父の叫びもむなしく、怪物はそのまま子を連れ去った。子は二度と帰ってこなかったという。

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(ニュース和歌山/2020年8月8日更新)