怖さ:3
川の妖怪
出没地域:紀の川市貴志川町

 昔々、日照りが続いた貴志川では、国主淵にたまったわずかな水だけが頼りだった。ある日、「国主淵(くにしぶち)の底は龍宮に通じている。その穴を塞いでいるものを除けば、水は枯れぬ」と聞きつけ、村の中で腕の立つ桜井刑部(さくらいぎょうぶ)という男に潜らせてみると、穴を塞いでいたのは龍だった。龍は刑部に牙をむいた。刑部が持っていた国次(くにつぐ)の名刀を突き立てると、龍は降参して天へと昇っていった。すると淵に水が溢れ出し、水面に鬼、三番叟(さんばそう)、翁の3つの能面が浮かんできた。3つの面は生きているように飛び回り、刑部に襲いかかったが、返り討ちに遭い、普通の面に戻った。3つの面は現存しているという。

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(ニュース和歌山/2020年12月12日更新)