片男波干潟の三断橋西側です。1925年に廃業した旅館、芦辺屋本館が残っていました。歴史は古く、紀州藩初代藩主の徳川頼宣が慶安年間に妹背山を整備した際、鏡山の東麓に芦辺屋という茶屋を造ったそうです。明治期には名旅館として知られ、多くの文化人が宿泊しました。南方熊楠は親交のあった孫文と1901年にこの地で旧交を温めたそう。洋館風の建物で、子どもの頃から絵にしようと思っていましたが、87年に解体工事が始まり、慌てて絵に描き撮影しました。(写真・文章=和歌山市 堤慶さん)

第2、第4水曜号掲載

現在

写真=妹背山からの風景に芦辺屋はもうない

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(ニュース和歌山2015年2月11日号掲載)