怖さ:0
家の妖怪
出没地域:和歌山市

 昔、ある家の土間でネズミが壁に穴を開けた。日増しに大きくなるその穴を、家人が埋めようとした。すると、穴から見たこともない子どもが顔を出して手招きする。家人が不思議に思って近づくと、その子どもは喜々(きき)と穴の中に隠れた。中を見た家人は驚いた。そこには多くの子を抱いたネズミがいて、こちらを見つめていた。このまま穴を埋められては仔ネズミは助からないと、親ネズミが人に化けて訴えたのだろう。家人は仔ネズミが親離れするまで穴を埋めるのをやめたという。

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(ニュース和歌山/2021年7月10日更新)