怖さ:3
海の妖怪
出没地域:熊野地域

 新宮の港町で、おばあさんに聞いた話。おばあさんが子どものころ、夜の海にぼやっと灯りがともるのをよく見たそうだ。決して船の灯りではない。水面に揺れる火が奇妙に動くのが特徴で、磯の方へ移動したかと思うと、突然、磯から火柱が上がって、岩礁を大きく照らしたのを幾度か見たと言う。調べてみると、どうやらこの怪火は〝磯天狗〟と呼ばれるものらしく、愛知県や三重県でもよく現れた。『日本妖怪変化語彙』によると、天狗との名前だが、河童の一種とあり、怪火を出すものとされる。これが出ると魚が獲れなくなるという地域もある。

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(ニュース和歌山/2021年10月2日更新)