怖さ:4
池の妖怪
出没地域:九度山町

 江戸時代、慈尊院村(現在の九度山町)におしょぶという裁縫の上手な優しい娘がいた。おしょぶは毎日、針の稽古に通うのを楽しみにしていた。ある日、勝利寺へ稽古に行く途中、池の中に光る帯があるのを見つけた。あまりの美しさに、どうしてもそれが欲しくなって、池に入っていった。すると、突然、その帯は恐ろしい大蛇に変わって、おしょぶを咥えて池の中に消えてしまった。その後、この池は「おしょぶ池」と呼ばれ、針供養の日、この池に針を投げると、裁縫が上手になると言い伝えられている。

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(ニュース和歌山/2021年10月9日更新)