大日山35号墳、天王塚古墳、大谷山22号墳と、岩橋千塚古墳群内にある、各時期で最大級の古墳を紹介してきましたが、今回は天王塚古墳が築かれた6世紀中ごろのナンバー2、将軍塚古墳です。

 長さ42・5㍍で、同時期にできた天王塚古墳の半分位です。前方後円墳で、前方部と後円部に2つの横穴式石室があり、現在は後円部の石室を公開中です。後円部の石室は遺体を収める玄室の高さが4・3㍍と天王塚古墳の5・9㍍に次ぎ、石棚と石梁(いしはり)が1枚ずつあります。

 また、せん道と呼ばれる通路の入口と玄室入口には、化粧石と呼ばれる板石が立てられます。そして高さ1・8㍍の扉石を用いて入口をふさぎます。現在、せん道にこの扉石が立てかけられており、その大きさを実感することができます。

 古墳の大きさや玄室の高さから見て、当時のナンバー2の古墳なので、将軍塚古墳に葬られた人は生前、天王塚古墳に葬られた人の補佐役だったのでしょうか。天王塚古墳の上から西を眺めると、将軍塚古墳が邪魔をして、大日山35号墳がなぜか見えません。前の代の王の墓が見えないように将軍塚古墳が築かれたとすると、将軍塚古墳は単なるナンバー2の墓ではなく、天王塚古墳に葬られた人への細やかな気遣いで尽くした人物であったのではないかと思います。

 この将軍塚古墳は風土記の丘開園とともに整備され、大きなパイプを半分にしたような入口から石室に入っていきます。まるで秘密基地のようですが、石室の中は非常に快適で、冬は暖かく夏は涼しいです。さらに電灯があり、入口のボタンを押すと明るくなり見学できますので、懐中電灯不要のおすすめ古墳です。ぜひ「いいね」の代わりにぽちっとボタンを押しに来てください!

(和歌山県立紀伊風土記の丘学芸員 田中元浩)

写真=石室の高さナンバー2。明かりも付く将軍塚古墳の横穴式石室

(ニュース和歌山/2022年1月22日更新)