怖さ:2
町の妖怪
出没地域:海南市

 昔、海南市にある油屋の主人が、次の日に売る商品を出そうと納屋に入ると、いくつかカメのふたが開いていて、中の油が減っていた。翌日、店の者に聞いたが誰も知らない。これは泥棒の仕業かもと、夜な夜な隠れて見張っていると、どこからともなくザンバラ髪の子どもが現れ、カメの油を長い舌でベロベロ舐めだした。主人は飛び出し、その子どもを取り押さえようとするが、体がヌルヌルで滑って捕まえられない。このままでは埒があかないと、滑り止めの灰を手にいっぱいつけて追いかけたところ、子どもは一瞬にしてボッと火となって燃え上がり、そのまま消えてしまったという。

               …   …   …   …   …

 妖怪をこよなく愛する漫画家、マエオカテツヤさんの『和歌山妖怪大図鑑』、主要書店で発売中です(税込み1017円)。

(ニュース和歌山/2022年11月26日更新)