《回答者》
◆整形外科
貴志川リハビリテーション病院
手・足の外科センター
整形外科専門医  手外科専門医
谷口 泰德副院長・センター長

 痛風は尿酸が体の中にたまり、それが結晶になって足の親指の付け根に激しい痛みや腫れが起こる病気で、痛風性関節炎とも呼ばれます。足の親指以外に足首、手首、膝にも痛みの発作が起こることがあります。アルコール摂取・ストレス、過激な運動、尿酸値の急激な変化などをきっかけに痛風性関節炎が起こります。痛風は女性より中年男性に多く発生します。血液検査で尿酸値が高く痛風性関節炎に特徴的な症状があれば診断されます。

 痛風の治療をしないで、痛風性関節炎を繰り返していると、関節の痛みだけではなく、関節の周囲にチョーク状の尿酸結晶が沈着しシコリができます。この硬いシコリを痛風結節と呼びます。痛風結節は足の親指の付け根にできることが多いですが、それ以外に手指、肘関節、耳の軟骨などにできることもあります。治療しないでいると痛風結節が皮膚を破って体外に出てきます。痛風結節は手術で切除をすることもありますが、基本的に血中の尿酸を下げる薬を飲んで治します。尿酸値を下げることで、痛風結節が小さくなり消失させることができます。すでに痛風結節が皮膚を破って外に出ている時は手術で切除が必要です。整形外科専門医にご相談下さい。

(ニュース和歌山/2023年4月23日更新)