怖さ:3
町の妖怪
出没地域:和歌山市

 昔、和歌山城下に駒木根八兵衛という侍がいた。八兵衛には主水という息子がいたが、同じ城下に住む芸人の娘と恋仲になり子どもが生まれた。怒った八兵衛は親子三人をやりで突き殺してしまった。この八兵衛、牡丹を育てる名人で、毎年美しい牡丹の花が屋敷を囲んだ。その中でも一番美しい牡丹の花をお殿様に献上するのも習わしとなっていた。しかし、その年は育てる牡丹すべてが、夜になると真っ赤な生き血を流すようになった。お城からの催促もあり、仕方なくまだ血を流していない小さな花を献上したが、やはりお城でも夜な夜な真っ赤な血を流したという。

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(ニュース和歌山/2023年7月15日更新)