和歌山市出身 堀本裕樹さん出版

 和歌山市出身の俳人、堀本裕樹さんが歌人の穂村弘さんとの共著『短歌と俳句の五十番勝負』を4月26日、新潮社から出版した。ビートたけしや芥川賞作家の又吉直樹、タレントの壇蜜など50人からの題を受け、異なる表現で2人が勝負。堀本さんは「短い言葉で想像力を刺激する俳句と、感情の動きを詠み込む短歌の違いが際立った」と話している。

 堀本さんは國學院大學を卒業後、コピーライターを経て、2007年から角川書店の角川春樹が主宰する俳句結社『河』の編集長を務め、10年に俳人として独立。13年に和歌山の自然や文化を折り込んだ句集『熊野曼陀羅』で俳人協会新人賞を受賞した。最近は俳句入門書や又吉との共著を出版し、市民向けに句会を開いている。

 今作は、堀本さんと穂村さんが月刊誌『波』で13年から4年間連載してきた「俳句と短歌の待ち合わせ17×31」をまとめた。毎月異なるゲストから題を募り、2人が作品と創作に関するエッセーを書いた。堀本さんは〝ぴたぴた〟の題に、子どもが無邪気におせちに手を伸ばす瞬間を切り取った「ぴたぴたと子が来てごまめ鷲摑(わしづか)み」、〝唾(つば)〟では紀伊風土記の丘を歩き、都会生活のストレスを解き放つ自身の習慣を詠んだ「青き踏む唾棄(だき)すべきことこなごなに」を寄せた。

 四六判、256㌻。1728円。ツタヤウェイガーデンパーク和歌山店ほかで販売。5月6日(日)午後2時、和歌山市万町の本屋プラグで出版記念イベントとして、俳句の魅力を語り合う「つくらない句会」を開催。同書付き3500円。先着20人。詳細は本屋プラグフェイスブック

(ニュース和歌山/2018年4月28日更新)