1人で子育てを担うワンオペ育児や、男性の家事育児参加率の低さ、生活費の分担…。夫婦を巡る様々な問題が取りざたされる中、料理やアート体験を通じて夫婦関係を見つめ直す4回連続のワークショップ「くらしかたち」が6月17日(日)、和歌山市府中のにこにこのうえんで始まる。主催するまんまプレイスの佐道大倫(ひろのり)代表は「理屈で考えるのではなく、心と身体で感じながら楽しく心地よい暮らしを見つけて」と笑顔を見せる。

 同市六十谷を拠点に、料理教室や北欧生まれの野外保育、森のようちえんを開き、持続可能な暮らしを提案する同団体。大倫さんと、食育教室を主宰する妻の匡子(まさこ)さんが運営する。

 「くらし~」は2人の苦い経験がきっかけで生まれた。3〜4年前、ワンオペ育児に落ち込む匡子さんと、多忙な仕事を抱えた大倫さんはすれ違いに。「一緒にいるのがしんどくなる」ほど険悪になったが、気持ちを表現するコミュニケーション術や力を抜くリラックス法に出合い、対話を重ねて乗り越えた。

 話し合わず不満を抱える夫婦が周りにも多く、2人の時間を持ち、対話する大切さを伝えようと、自身の関係修復のきっかけとなった講師らと企画。初回は果実酒を作り、2回目はカウンセラーの進行で理想の生活スタイルを語り合う。3回目に木彫りの皿を作り、最後は合気道をベースにした心身の力の抜き方を学んだ後、暮らしの心地よさについての考えを掘り下げる。

 「2人で同じ物を作り、経験する中で、自然と対話する関係ができるよう導きたい」と大倫さん。匡子さんは「『夫とは、妻とはこうあるべき』という固定観念を取り除き、夫婦それぞれの幸せを考えるきっかけに」と願っている。

 6月17日、7月22日、9月30日、10月21日の日曜。1回1組2500円、和歌山市外の人は3500円、材料費別。各回20組。一時保育あり。詳細は「くらしかたち」フェイスブック

写真=「対話の大切さ伝えたい」と佐道夫妻

(ニュース和歌山/2018年6月9日更新)