大学の研究者や地元に詳しい専門家らが執筆した書籍『大学的和歌山ガイド』が10月25日、昭和堂から出版された。執筆者の一人で和歌山大学観光学部の大浦由美教授は「既存のガイドブックでは紹介されてこなかった和歌山の歴史や産業、文化を、観光の視点から取り上げました。知的関心で描く和歌山を知ると、いつもの景色も違って見えてきます」と話す。

 同社が発行する地域ガイドシリーズの一つ。環境、交通、食文化を研究する和大の教員を中心に、南方熊楠記念館の谷脇幹雄館長らが、地元の魅力をまとめた。

 紀北、紀中、紀南の3部に分けて紹介。紀北では、高野山の和菓子文化と寺院のかかわり、海南市野上谷のシュロと家庭用品産地としての歩みを解説した。紀中、紀南では、アメリカ村とカナダ移民のつながり、田辺市中辺路町近露・野中地域で増えるIターン者の現状などを追った。

 A5判、328㌻。2484円。同社(075・502・7500)。

写真=和大教授らが執筆

(ニュース和歌山/2018年11月24日更新)