〈支え合おう 手を取り合おう〉

 新型コロナウイルスの影響を受ける外食産業を音楽で応援しようと、和歌山市の作曲家、イケハラタカヒロさんが5月3日、〝音楽寄付大作戦〟と題した取り組みを始めた。希望する店の曲を無料で制作する活動で、「音楽産業と外食産業が力を合わせて苦難に立ち向かっていくきっかけになれば」と張り切っている。

 これまで紀州よさこい祭りの総踊り曲や各チーム用の曲、紀の国わかやま国体オープニングセレモニーで使われた曲などを手掛けてきたイケハラさん。コロナによる外出自粛が広まる中、「飲食業を応援するだけではなく、互いにポジティブになれて、やりがいのあることを」とオリジナル曲の〝寄付〟を発案した。

 依頼のあった店をイケハラさんが直接、またはオンラインで取材して作曲。サックス奏者のNazukiさんやヴァイオリニストの阿佐聖姫子さんらの協力を得て録音する。曲はSNSでの発信、店内のBGMなど自由に使える。対象は県内の飲食店やホテルで、「条件は〝おいしいこと〟。自信の逸品を頂戴し、心に染みる逸曲を書きたい」とイケハラさん。

 12日現在、3店から依頼が寄せられている。このうちの一つ、そば、うどん店の信濃路、西平都紀子社長は「今までにない曲ができると楽しみにしています。音楽+飲食の単なる足し算ではなく、音楽×飲食で互いにどんどん発展していける取り組みととらえ、未曾有の試練を共に乗り越えたい」と期待する。

 イケハラさんは「コロナの収束を待っているうちに、人の心が冷え切ってしまえば、それだけ復興が遅れてしまいます。音楽寄付でかかわっていただいた方の心を少しでも和らげられればうれしい」と思いを込める。

 詳細はイケハラさんのフェイスブック

 

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(ニュース和歌山/2020年5月16日更新)