■野崎公民館俳句教室・森幸子選

寒風に声の攫はる視閲式       坂本  漸

窓拭きて冬日に力もらひけり     羽原 久喜

縫初の針ていねいに進めけり     吉備美恵子

■天美苑俳句会・綾ひろ子選

石蕗の花思ひ出多き里恋し      小野田 光

鍋料理離れ住む子の便り待つ     高岡 和子

ペン握る其の指先の寒さかな     平野喜久代

■紀の川俳句会・藤田和子選

蟄居安靜窓に降る雪ながめをり    岩本美智子

出来映えは意にそはぬとも筆始    大橋 和子

冬山も母のぬくみと嚴しさを     藤田 和子

■萌木俳句会・上中光選

天空に白鳥描く出初式        山本 百世

初日受け道美しき朝かな       西村 昌子

三日はや子らは机に向ひをり    勅使河原賀子

■狩河西句会・須田光成選

遅れ来て慣れぬ上座に忘年会     太田 妙子

大根飯子の弁当に愛も入れ      池田 文子

爺ちやんも孫も歯抜けや雑煮餅    藤池 芳子

■萌俳句会・各自選

忍一字貫き卆寿去年今年       藤本 忠義

黒潮の色秘め岬の寒椿        坂本  漸

寒風のあふりたててるお焚き上げ   森  幸子

(ニュース和歌山2015年2月14日号掲載)