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 岩手県で17日から21日まで開かれた「全国社会人サッカー選手権」で、和歌山からJリーグ入りを目指すアルテリーヴォ和歌山が初優勝を飾った。県サッカー協会によると、小学生から社会人まで全てのカテゴリーで県内チームが全国大会を制するのは初めて。

 関東、東海、関西など全国9つの地域予選を突破したチームと、開催地・岩手代表の計32チームがトーナメントで争う大会。決勝まで進めば5日連続の試合となることから、〝日本で最も過酷な大会〟とも呼ばれる。

 アルテリーヴォは選手24人中、ケガや仕事の関係で16人だけで挑んだ。1回戦でコバルトーレ女川(宮城)を延長戦の末に2─1で下すと、勢いそのままに、北海道王者の札幌蹴球団は5─0、東海王者のFC刈谷(愛知)は1─0、準決勝ではラインメール青森を後半終了間際の決勝ゴールで2─1と退けた。

 迎えた決勝は阪南大クラブ(大阪)との対戦となった。1─1のまま延長でも決着がつかず、勝負の行方はPK戦へ。阪南大クラブ4人目のシュートをゴールキーパーの吉田泰順選手が止めると、アルテリーヴォは5人全員がきっちり決め、頂点に立った。

 岩手に来られなかった選手のユニフォームもベンチに並べ、チーム一丸で手にした栄冠。全5試合にフル出場し、ディフェンダーながら2得点と活躍した角南裕太副主将は「人生で日本一を経験したことがなかったので、うれし泣きしてしまいました。ここまで団結したチームを見たことがありません。どのチームよりも勝ちたい思いが勝っていた」と胸を張る。

 今年の目標にJFL(日本フットボールリーグ)入りを掲げるアルテリーヴォ。11月の全国地域リーグ決勝大会(地決)で2位以内が昇格の条件だ。「5日連続の試合は想像以上にハード。それをみんなで乗り越え、最高の結果で和歌山に帰って来れたのは、地決に向けて自信になりました」と角南副主将。今年最大の決戦の舞台へ、大きな弾みになったようだ。

(ニュース和歌山2015年10月28日号掲載)