2017021105_suginoho 和歌山市の俳人、上中光(てる)さん(84)が初の句集『杉の秀』をふらんす堂から出版した。繊細な感覚で自然をやさしく見つめた俳句を年代別に収めている。

 日本舞踊をしていた上中さんは1994年、和歌山文化協会の桑島啓司さんを通じ、鷹羽狩行主宰の句作グループ「狩」の吟行へ参加し、俳句を始めた。その後、「狩」に入会し、2003年には同人に。05年には萌木句会を発足させ、選者を務めている。

 俳句歴23年を迎え、初めて出す句集のタイトルは、狩近畿大会で特選となった「爽やかや吉野は杉の秀(ほ)を正し」からとった。樹齢400年を超える吉野杉が立ち並ぶ姿に感銘を受けて作ったこの句をはじめ、自然の姿や日常の生活で触れることを題材にしており、桑島さんは「リズムが良くやさしい俳句が多い。自然が無駄なく美しく描かれています」。巻頭には「狩」の鷹羽主宰の序句、鑑賞句2句が寄せられている。上中さんは「年をとりましたが、これからは加齢を華麗に精進したい」と話している。

 四六判、203㌻。2916円。宮脇書店ロイネット店で販売。桑島さん(073・451・6110)。

(ニュース和歌山より。2017年2月11日更新)