経済産業省と日本経団連などが来年2月から毎月最終金曜をプレミアムフライデーとして、午後3時に退社するよう呼びかける取り組みを始める。個人消費の喚起と、長時間労働の是正が目的という▼金曜に早く退社できると、土日の過ごし方の幅が広がる。遠出する場合、前日から移動して宿泊でき、そうすると個人消費も増える。アメリカでは11月の第4金曜を休暇日として「ブラックフライデー(黒字の金曜)」と呼ばれるセールが定着しているそうだ▼一方、24時間営業のファミリーレストランや牛丼店が営業時間の見直しを進めている。労働者の確保が難しくなっているのに加え、過労死や消費者の〝求めすぎるサービス〟への問題意識が広がっている▼プレミアムフライデーはサービス業への導入が難しいかも知れないが、金曜夕方以降の消費が伸びれば、深夜まで開けなくても利益を確保できる店が出てくるはず。経済効果だけでなく、労働者の豊かな生き方に力点を置いた実効的な制度の浸透を願う。(林)

(2016年12月17日号掲載)