最近は空前の猫ブームだと言う。犬の飼育数が減少し、推計飼育数はほぼ並んでいる。書店では猫の写真集が犬を押しのけ、かつての「たまごっち」を思わせる、スマートフォンで擬似的に猫を飼うアプリ「ねこあつめ」もヒット。ドラマで役者さながらに演技することもある。かく言う私も大の猫好き▼2014年に本紙の読者アンケートで犬派、猫派を聞くと、猫と答えたのはわずか24%に留まった。もちろんかわいさはあるが、苦手な人、迷惑を受ける人も少なくない▼昨年、県は猫の殺処分ゼロを目指し、全国初の「野良猫へのエサやり禁止」などを盛り込んだ動物愛護管理条例の改正案を出したところ、600通の賛否両論が送られた。まだまだ付き合い方は考える余地がある▼今後、住宅事情や飼育費用、高齢化などをふまえ、犬と逆転し、猫がペットの主流になるのかも。「ねこあつめ」の猫たちは世話を怠っても元気だが、現実はそうはいかない。安易なブームで終わらないよう願うばかりだ。 (宮端)
(ニュース和歌山2016年1月9日号掲載)