「狭い道路を一人で運転している時、後続車に執ようにあおられています。あなたならどうしますか?」。先日受けた運転免許更新の講習で、「今、目があったそこの方」と当てられ、答えにとまどった質問だ▼一昨年6月に東名高速道路で起きた死亡事故以来、あおり運転が社会問題化している。車間距離を詰めたり、不必要にパッシングしたりするなど危険な運転のことだ。車通勤する筆者も、一車線で数㌔に渡って接近され、逃げ場がなく怖い思いをした経験がある▼冒頭の質問への正解は、「110番しなさい」だった。安全な場所があれば停車して、同乗者がいれば頼むのが前提だが、「『公共の安全を維持するため』なら緊急時は走行中の通話が認められている」と教わった▼あおり運転への社会の目は確実に厳しくなっている。車外からドライバーの顔は見えづらいが、人間性は透けて見える。子どもや高齢者、皆で共有する公の道路。自分本位でない、思いやりある人のみが行き交う道であってほしい。 (秦野)