夕方など小腹がすくと、コンビニに寄り、小さなカップめんを買ってイートインスペースで食べていた。先日も普通に買ってお湯を入れて席に。「イートインで食べる方は購入時に申し出て下さい」の張り紙にしまったと思い、結局、外で立って食べた▼よく話題になるこの〝イートイン課税〟。コンビニに勤める人に聞くと、「増税後、店内で食べる人はいなくなりました」。幼稚園帰りの母子連れグループが皆でお菓子を食べ、お茶をする姿は消えた。工事現場で働く人は店外で、地べたに座り食べるようになったという▼妙な話だ。昼間、時間に追われ、また束の間の憩いに安く早く飲食できるのがイートインではないか。2%の増税で、利用者が減るなんて私たちに余裕がない証だ▼私はこれを令和の検地と呼びたい。御代官様がやって来て、ぜい沢でもなんでもない所にぜい沢の線を引き、ささやかなひと時を貶めた。増税へ導いた省庁のトップはカップめんの値段をご存知なかったのを思い出す。 (髙垣)

(ニュース和歌山/2019年10月19日更新)