年に4回、和歌山市、海南市、岩出市の小学生に子ども向けの新聞を配布している。この10月は防災特集号を発行した▼小学校を取材で訪れる際、「ニュース和歌山です」と伝えると喜ぶ子もいれば、「何チャンネル?」と聞いてくる子も。子どもたちの家は新聞を購読せず、情報源はテレビやインターネットニュースとの世帯も少なくない。新聞発の地域情報に触れる機会はあるのだろうかと思う▼先の台風19号は東日本を縦断、河川がはんらんし、死者80人以上を出す被害をもたらした。和歌山は今回、進路がそれて難を逃れたが、防災意識を維持していくためには、自分が住む街の災害の歴史や、先人からの教訓を知っていることが重要だ▼小学生新聞では過去の災害をクイズ形式にしたほか、各学校の取り組みや避難場所などを紹介した。地域に親しみや関心を持つことは、おのずと防災につながる。災害はもう万が一の出来事ではない。平常時からしっかり備え、自分や家族の命を守れるよう育ってほしい。 (井本)

(ニュース和歌山/2019年10月26日更新)