地の利が生む未来

 思い返せば人生の3分の2を外国と他県で育った私ですが、改めてGTEという高校生たちとのスタートアップについて学ぶサマーキャンプを和歌山で開催できて良かったと思います。生徒のみではなく、講師のジャストン先生、私と共同パートナーで起業家の曽我弘さん、全国各地から集結するその道で高名な専門家たちやスタッフが「やっぱりGTEは和歌山だ!」と、サマーキャンプの内容とは別に和歌山の地の利を生かしたプログラムを大変評価してくれています。

 関空に近いこと。ビーチや山がすぐ側にあること。和歌山ラーメンが美味しいこと。ちょうどGTEサマーキャンプが終わった次の日に「ぶんだら」と「おどるんや」の祭りがあること。よさこいをスタッフ総出で踊るのです。和歌山を全身でたっぷり感じる夏を気に入ってくれて、私こそ「やっぱり和歌山でGTEだ!」と思うのでした。

 実はGTEを始めたばかりのころは、「なぜ和歌山で開催?」との声が他府県の関係者(特に大人)から聞かれましたが、今は聞かなくなりました。GTEプログラムを支えてくれる専門家やスタッフたちはオピニオンリーダーの方々なので、フェイスブックなどのSNSでGTEと一緒に和歌山で実感した最高の気持ちを発信してくれます。その記事を見た彼らの友人たちがまたGTEがある和歌山に確実に足を運んでくれるのです。そして、「だから和歌山なんですね」とこの地で開催する意義を感じてくれます。この仕組みがようやく4年間で実現できました。

 そして、私たちは新たな挑戦も始めました。世界中の士気の高いビジネスリーダーを志す20万人の高校生の組織DECAの日本支部(DECA JAPAN:デカジャパン)を今年5月に和歌山に設立しました。DECAは、GTEや日本の高校生たちと未来に出会うビジネスパートナーとの接点をつくります。ビジネスは人の営みです。世界中とつながることこそが日本の子供たちの未来への生命線です。この取り組みも「だから和歌山で始めたんですね」と言ってもらえるように願います。

(ニュース和歌山/2019年10月26日更新)