「WEST EXPRESS 銀河」が7月、紀南コースとして走り始めました。区間は京都から新宮まで。新宮行き往路は夜行、京都行き復路は昼行で走ります。復路の昼行に乗る機会がありましたので、今回と次回の2回に分けて旅日記を。

周参見駅に停まる銀河(右)と駅に隣接する津波避難タワー

 復路始発駅の新宮では、出発前から新宮市や北山村の物産販売が旅の情緒を誘います。早速、銀河特製のじゃばらジュースを購入し、ホームで駅員さんやたくさんの地元の方に見送られ発車。数分後には沿線随一の絶景である王子ヶ浜を徐行で通過し、最初のおもてなし駅、紀伊勝浦に到着します。

 その後、地元と和大生が銀河のために景観整備した湯川を通過して太地に。ここでは鯨の竜田揚げの振る舞いを受けました。会場は新しく建設された駅舎最上階のホール。緊急時、津波避難場所として活用されるところです。

 太地を出て、古座、串本と停車。串本は約1時間の大停車で、地元生かつおの刺身がいただけます。レンタサイクルを活用すれば、橋杭岩の観光も可能です。

 紀南地域最後のおもてなし駅は周参見。ここでは津波避難タワーが開放されていて、タワーから絶景のすさみ湾を眺めることができます。太地も周参見も津波避難施設をうまく観光利用しています。災害が来た時にだけ使うのではなく、タワーの価値を高めるためにも普段使いすることが重要ですね。

 紀伊田辺を過ぎると、その俊足ぶりを生かして走行。紀北で唯一のおもてなし駅である海南に停車します。駅舎1階の物産観光センターが特別に延長営業していました。

 各おもてなし駅では地元産品の物販があり、買い物を楽しめます。おなじみのものから、全く知らない新しいものまで。まだまだ和歌山は奥が深いし、幾度も行く・見ることの大切さを学びました。(続く)

和歌山大学准教授 西川 一弘(第2土曜担当)

(ニュース和歌山/2021年10月9日更新)