「私、失敗しないので」。主演の米倉涼子さんが放つ痛快なセリフで有名なテレビドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子」が10月に始まりました。このドラマの過去シリーズに登場する院長室のカーテンを手掛けたのが、和歌山市の企業だとご存じでしょうか。1990年に創業し、国内最大級の縫製工場を有するインテリックスです。名だたる一流ホテルにも多数の納入実績があります。最大の特徴は、国内でいち早く縫製工場直営のオーダーカーテンショップを運営していることです。

2016年に流れたシリーズの副院長室にも使われた

 3年前、私は全国展開している建築・不動産会社が運営する移住者向け情報サイトの事務局をしていました。内装にこだわる人々とのオンライン会議が増え、映り込む背景の落差にがく然。自身の部屋の子どもっぽさを際立たせていたカーテンを急いで買い換えることにしました。値ごろ感を求め家具の量販店へ。イメージ通りのものがなかなか見つからず、悩んだ末に選んだのは一番無難なベージュでした。しかもちょうど良いサイズがなく、窓枠より少し大きいものでした。

 帰宅後に取り付けると、窓際に置いたベッドにすそがくしゃっと乗った状態に。「特注品でない限り、カーテンってこういうもの」とあきらめていました。

 月日は経ち、取材を通じてインテリックスが直営するオーダーカーテン専門店「ジャストカーテン」の存在を知りました。一人ひとりの暮らしにぴったりのものを高品質かつ、一窓1万円の低価格で提供しようと、国内外の織物・染色工場と直接契約し、企画・縫製から販売・施工までを自社で一貫。一窓あたり数十万円することもあった業界に革命を起こしたのです。

 地元にこんな素敵な企業があったとは露知らず、まさに目からうろこでした。新型コロナウイルス禍で在宅環境が重視される今、失敗しないカーテン選びをぜひ。

フリー編集者 前田有佳利(第3土曜担当)

(ニュース和歌山/2021年10月16日更新)